御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

パドルについて(パドルの長さ)

今回はパドルの長さについてご説明致します。

以下述べることはリバーカヤックに関しての私の経験に基づく所見です。別の考え方もあるかと思います。あくまでもご参考まで。

長さについて

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フォワードストローク(カヤックを真直ぐ前に進めるための漕ぎ)を漕ぐ時、引手のパドルのブレード(櫂の部分)が、前方からしっかり水を掴める漕ぎが出来る長さが基本の長さです。

身長の違いにより座高も当然異なります。腕の長さも関係ありますが、肩の位置が高い人は長めのパドルを選ぶべきです。

肩の位置が低い身体の小さい女性や子供が長いパドルを使ってパドルをある程度立てて漕ごうとするとブレードが水の下に入り過ぎてしまい漕きづらくなるので、短めのパドルを選ぶべきだと思います。

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少し専門的になりますが、スラローム艇などを効率的に速く漕ぐ時はパドルを立て気味にして漕ぎますので、上手の位置は耳より上の高い位置になります。

水をしっかり掴んで漕ぐためにはある程度の長さのパドルが必要です。

プレイボートなど短めのカヤックのフォワードストロークはスピードを出すというよりも艇をコントロールすることを重視するため、パドルはあまり立てずに漕ぐことが多いです。

上手の位置が低いので、カヤックの喫水線が低いことも相まって、比較的短いパドルで漕ぐ傾向にあります。

ウェーブやホールのスポットプレイをするときの操作性を重視しているのでしょう。

ハドルの握り幅も大事です

もうひとつ補足としてパドルの握る位置についてご説明致します。

カヤックスクールで初心者にパドルの握り方を教えるとき良くやる方法として「腕を肩の高さに上げて肘を直角に曲げたときの幅で握って」とやりますが、これは強ち間違いではありませんが漕ぐ人の力とか体格を考えると全員一律にこの説明でいいのって疑問に思うことがあります。

物理的なことは良くわかりませんが、パドルの握り幅を極端に狭くすると引きが重すぎてうまく漕げませんし、握り幅を思いっきり広くすると、簡単に引けすぎて自分の力が十分使えていない感じがします。

ブレードが作用点、握る手が力点、支点がどこにあるのかよくわかりませんが、物理的にはそんな感じでしょう。

狭く握ると力点と作用点までの距離が長くなり、また、作用点のパドルを大きく動かす力が必要になるので、かなり大きな力がないと漕げなくなるのでしょう。

だから身体の小さい人が、肩幅が狭いからといって狭い持ち幅で握ると疲れてしまうか、漕ぎ切れないのでブレードの角度を水が逃げる角度にしてしまうのです。

パドルの長さを決める時は適正な握り幅と握ったところからブレードまでの長さについても考慮する必要があります。

次回はブレードの角度について。

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