御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

フォワードストローク②

フォワードストローク①で説明した通り、漕げばカヤックはジグザグしながら前に進むはずなのですが、初心者はなかなか真直ぐ進みません。

ちょっとスピードが付き始めると一度曲がりだすと曲がった方を漕いでも逆方向にカヤックが向いてくれないことがあります。

強引に漕ぐと今度は反対に曲がりだしたら回転が止まらなくなって、結局力任せの漕ぎで蛇行を繰り返してしまう。

力のある男性は大概こんな経験をしていると思います。

①一度曲がり始めると回転が止まらなくなる理由

どうして一度曲がり始めたカヤックは回転が止まらなくなるのでしょうか?

カヤック技術編「カヤックを傾ける(リーン)②」の内容を思い出して下さい。

まだ読んでいない人は是非読んで下さい。

カヤックが傾くとサイドに出来る筋の影響で一度曲がりだすと反対側に切り返すためにはとても大きな力が必要になるのです。

でも、傾けようなんて思っていないのに何でいつの間にかカヤックが傾いてしまうのか疑問に思いませんか。

初心者のカヤックが傾きやすい理由とその対処法を以下に説明します。

このポイントをしっかり押さえると、初めて漕ぐ人でも器用な人は30分ぐらいでスイスイ真直ぐ漕げるようになりますよ。

②カヤックを傾けずに漕ぐコツ

(1)パドルのブレードは水面の対して直角に入れる

ブレードが水の中に切れて入る角度で漕ぐと、パドルが水の中にどんどん入るとともに身体も一緒に傾いてしまいます。

(2)ブレードの上端を水面ギリギリまで入れてからゆっくり漕ぎ始める

水をしっかり掴んで漕げるので身体が安定してぐらつきにくくなります。

(3)ブレードの上端が水中に入っていかないように意識して漕ぐ

肘をたたみながら漕ぐと、パドルが水中に入っていかないです。結果的に漕ぐ方に傾きづらくなります。

(4)漕ぐ方の膝をほんの少し持ち上げながらわき腹の筋肉を縮る

パドルを立てて漕ぐと漕ぐ方の反対の手が上がるのに引きずられて身体の固い人はどうしても漕ぐ方に傾いてしまいます。

漕ぐ方の反対側にカヤックを少し傾けるぐらいの意識があると結果的にカヤックがフラット(どちらにも傾いていない状態になります)

言葉で説明するのは簡単なのですが、この漕ぐ方の膝をほんの少し上げるイメージ、実は体得するのに結構時間が掛かります。

そしていちいち意識しなくても身体が勝手に反応するようにする必要があるのです。

繰り返しの練習が大事ですね。

次回はいよいよフォワードストロークのフォームについて説明します。

良いフォームで漕げれば、より少ない力で速く漕ぐことができるので、ポイントだけは押さえておいた方がよいと思います。

フォワードストローク 全3回

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