御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

パドル操作(スカーリング)

スカーリングというパドル操作は、和船の櫓を漕ぐ時の動作と同じです。

カヤックを横方向に平行移動させる時や、カヤックが大きく傾いて沈しそうになった時のリカバリーパドルとして使います(この操作方法は後日別途ブログで紹介する予定です。

スカーリングのパドルの動き

まずはパドルを立ててブレードを胴体の脇に入れてからスタートします。

斜め45度ぐらいの前方へブレードを押し出して、そのまま前方の水中でブレードを返して今度はバウ方向から斜め45度ぐらいの後方へパドルを引いて、そのまま最初のポジションにパドルを戻してこの動作を繰り返します。

要は8の字を描くようにパドルを動かします。

言葉で説明しても分かりづらいので動画を見て頂きましょう。

前方に出す時に脇を閉じよう

最初に胴体の横からパドルを前方に出す時に脇を閉じていないと、ブレードがカヤックの側面に当たってバランスを崩してしまうので注意が必要です。

ブレードの角度を調整するのは持ち手の右手が主になりますが、上手もサポートに使うとスムーズに角度を作りやすいです。

また、手先だけで漕ぐのではなく上半身の捻りも意識すると、ひと漕ぎひと漕ぎが大きなスカーリング操作が出来ます。

左手のスカーリングのコツ

角度が大きく付いているパドル(80度ないし90度程度の角度のパドル)の場合は、左手のスカーリング操作をする時にブレードがカヤックの側面にぶつかってしまってやり辛いと感じる人もいるかと思います。

その場合は、左手の脇を開いてパドルの握った後に脇を閉じてからスカーリングを始めるとパドルの面が斜め45度ぐらい前方にスムーズに出る角度になりスカーリングしやすくなると思います。

スカーリングの操作はパドルを斜め前に押し出す時にその反力で斜め後方に進み、前から斜め後ろにパドルを引く時にその反力で斜め前に進む、つまり前後ジグザグしながら横方向に進んで行くのです。

この斜め前に押し出すパドル操作は、胴体の脇からパドルを伸ばすラダーの操作とほぼ同じですので、スラローム艇の乗る方はラダーの練習としてもスカーリングを沢山練習した方がよいでしょう。

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