御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

カヤックと流れとの速度差②

カヤックが流れよりも遅く進んでいる場合

エディから流れに入る場面を想像して下さい。特に速い流れにストリームインする時、カヤックが流れに押されて流れと同じスピードになるまでの暫くの間、カヤックは流れよりも遅いスピードで下流方向へ進みます。

この間におもいきり漕ぐとどうなるでしょうか?

井田川(激流)での経験

その答えの前に、私の井田川(富山にある日本で一番流れの速いスラロームコース)での経験を少し。

スラローム艇に乗り始めて4年目に井田川デビューしたのですが、今まで経験したことのない速い流れに恐怖感を覚えるとともにすごく戸惑ったことを記憶しています。

兎に角、パドルが重くて一本下るだけですごく疲れました。なんで同じ水なのにこんなに重いのか。

後になって気がついたのですが、答えは簡単です。

ストリームインの時に興奮し過ぎて、ブレードが流れを掴んだ瞬間、流れにブレードが持って行かれそうになるのを無理やり漕いでいたのでしょう。

パドルはとても重く感じたのみならず、無理に漕いだために度々バランスを崩していたのです。

それではどうすれば良いのでしょうか。

トップパドラーなら体幹を鍛えてしっかり漕げるようになるべきでしょうが、一般のパドラーなら無理に漕がないで暫く待つのが賢明でしょう。

ストリームインした後に下流側にバウラダーパドルを入れて待っていると、ラダーパドルが上流からの流れを受けるのでカヤックが流れと同じ速さに早く近づきます。

カヤックにも流れが当たるので加速し始めます。

それではどのタイミングで漕ぎ始めるのが一番効果的でしょうか?

カヤックが流れと丁度同じ速さになるタイミングでフォワードストロークを漕げばしっかり水を掴んで漕げます。

タイミングが合えばそのひと漕ぎで一気に流れよりも速いスピードにカヤックを進めることが出来るでしょう。

合理的はパドリングをすれば、疲れにくく、バランスも崩さず、無駄なく加速することが出来ますよ。

今説明したラダーパドル、ストリームインの時に下流方向に入れるととても有効なパドル操作なので是非身に付けたいですね。

後日「ストリームイン」の説明をアップする時に詳しく説明させて頂きます。

カヤックと流れの速度差

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