御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ストリームイン⑤(下流踏み切り~ラダー)

下流踏み切りはラダーと組み合わせて漕ぐととても効果です。

下流踏み切り~ラダーを使って思い通りのラインにバランスを崩さずにストリームインするやり方を説明します。

①下流踏み切り~ラダーの効果

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⑴下流踏み切りパドルで勢いよく対岸方向へフェリーグライドした後ラダーパドルを入れると、横方向に進む力が円を描きながら下流方向へ向かう力になります。

DSCN4451

⑵上流からの流れがラダーパドルに当たると、カヤックを下流方向へ加速させる力になります。

⑶ラダーパドル当たる水の抵抗によりラダーを入れるとカヤックが安定します。

ラダーパドルを入れないでリーンしながらストリームインするときと比較するとその違いは一目瞭然です。

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⑷ラダーパドルを少し大きめに開くと円が小さくなり少し手前の流れに入ることが出来ます。

ラダーパドルの角度を微妙に調整することで、力を使わずに奥の流れから少し手前の流れまで自由自在に入ることが出来ます。

②ラダーパドルの入れ方

踏み切りのパドルを漕いだ後、素早くパドルを前方に戻します。

下手は脇を締めてパドルを前方に出します。ブレードの半分程度水に入っていればラダーは十分に効きます。

上手は手の甲がヘルメットに当たるぐらいの位置で固定します。

行きたいラインに視線を向けて上半身を捻ります。

ラダーのフォームは、本ブログの「パドル操作(ラダー)」をご確認下さい。

③6時で加速

ラダー操作で作った回転でカヤックが6時方向に向く少し前に前方に入れたラダーパドルの手首を返してフォワードストロークを漕ぎます。

カヤックが6時方向に曲がる力とフォワードストロークで反対側に曲がる力が拮抗するとカヤックは6時方向に勢いよく進み始めます。

ひと漕ぎで行きたい方向へカヤックをスムーズに加速させることが出来ます。

次回は流れからエディーへのストリームアウトについて説明致します。

ストリームイン 全5回

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