台風19号による多摩川増水情報(10/14更新)
10月14日午後4時20分現在。調布橋水位-1.74m。12日の午後9時10分には+2.46m(氾濫危険水位+1.60m)まで達した水位は思いのほか早く減水しました。
上記の写真は今朝8時過ぎに小河内ダムに行って撮影してきた写真です。多摩川の減水が思いのほか早いので、奥多摩湖は満水状態で下流に水を流さないように頑張ってくれているのかと思いきや、貯水率は92.9%で台風が来る前の貯水率(88%)を5%上回るだけでした。
前回の台風15号の時は貯水率が92%ぐらいまで上がりましたが余水吐きからの放流はありませんでしたので、もう少し放流すると余水吐きからの放流も止まり、多摩川の水位も早く落ち着くと思います。
ダムのない日原川からは白濁した濁流が流れていますが、水量は減っていますので日原川から多摩川への流れ込みも意外と早く落ち着きそうです。
ここからは余談です。台風により川が氾濫するニュースを聞くたびに多摩川も危ないと常々思っていましたが、残念ながら今回は心配した通りのことが起こってしまいました。
今回の台風19号は10月8日(火)の時点で915hPaで日本列島に直撃することがほぼ確定していました。多少台風の進路が変化しても日本列島を包んでしまうぐらいの大きな危険な雨雲が向かって来ていました。
この時点で小河内ダムの水源である奥多摩及び山梨県東部は大雨となることが十分予想できたと考えられます。
10月8日(火)の時点で小河内ダムの貯水率は88%程度だったため、8日ぐらいからある程度大量の放流を始めていれば11日の夜半に本格的に雨が降り始める前に85%(余水吐きゲートの高さ)ぐらいまでは貯水率を無理なく下げられたと思われます。
東京都水道局が余水吐きから放流を開始したのは10月11日の午後からだったようです。
台風19号の影響に伴う小河内ダムからの余水吐よすいはき放流について
奥多摩湖は東京都の水源として、水を貯めることを目的として作られたダムです。利根川水系が渇水になった時に水を供給出来るように高い貯水率を維持することが求められている湖です。
とは言え、ダムは満水になると決壊を防止するために水を流さざるを得なくなります。大型台風で上流域も下流域も大雨により川の氾濫の危険性が高まった時に緊急放流をすればどうなるかは明らかです。
今回の台風19号では、御岳小橋(通常では川の水面より8m以上のところにかかる吊り橋が多摩川の増水により流されました。国道20号が多摩川を渡る日野橋も増水した水で橋が崩落するほどのダメージを受けました。世田谷では越水した水が町に大量に流れ込みました。中小河川は大規模な川が増水すると合流地点で流れ込むことが出来ずに氾濫してしまいます。神奈川県高津区の平瀬川では多摩川への合流地点付近で越水して残念ながら1名亡くなられた方が出てしまいました。
今回の台風で小河内ダムの余水吐きは5ゲート全てを開き放流したそうですが、予め貯水率をもっと下げておけば放流のタイミングを遅らせて下流域の増水のピークが過ぎた後に上流域に降った雨を流すことが出来たのではないかと思います。勿論、多少貯水率を下げたからと言って今回の被害を防止出来たかどうかは専門家でないので分かりませんが。
地球温暖化の影響かどうかは別としても、降雨による大規模災害が激増している近年、従来の対応を継続しても問題がないのか、関係各所は一度しっかり検証して今後の教訓として頂きたく切に願います。
台風20号の接近に備え、昨日10月20日より宮ケ瀬ダムの放流が行われている旨のニュースを見つけました。台風19号の教訓でダム管理の運用が現実に即した柔軟な運用に変わることを期待します。
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