冬のスラロームトレーニング
昨日は日本を代表するアドベンチャーレースチーム、イーストウインドのメンバーがスラロームコースに参加して下さいました。皆さん勿論カヤック経験はありますが、スラローム艇に乗るのは今回が初めてとのことで、スラローム艇の特徴を座学で説明した後、3時間白丸湖で静水トレーニング、午後は2時間、御岳の多摩川で流れの講習を行いました。
シーカヤックも含めてカヤックの経験10回足らずのメンバーもいましたが、皆さん体力と運動センスは抜群で、乗り始めて直ぐに真直ぐ漕ぐコツを掴んでしまいました。①パドルは強く握らないほうがブレードが水をしっかり掴めること、②ブレードを刺したところに艇と身体を引き寄せるイメージで漕ぐこと、③頭は常に艇の中心から動かないように意識して、ローリング(艇の横揺れ)、ピッチング(頭が前後に動くような動作)、ヨーイング(艇の左右のブレ)を極力減らして惰性で艇を楽に進めること、④体幹の筋肉、肩甲骨、上腕三頭筋をバランスよく使って小気味よい反復運動で漕ぐことをアドバイスしました。
艇を傾ける(リーン)動作の練習をした後、リーンしたまま内側のパドルだけ漕いで円を描く練習や、スイープでひとパドル毎にリーンを切り返す練習を行いましたが、あっという間にコツを掴んで出来るようになってしまいました。
最後にスィープとリバーススィープで艇をその場で軸回転させる練習を行いました。頭が艇の中心軸からズレないで、艇がフラットをキープ出来るとスラローム艇は自然にスターン(後ろ)が水中に沈んでとても気持ちよくクィックに回転しますが、コツを掴むまでは初心者にはちょっと難しい動きです。
これだけは皆さん苦労していました。一瞬スターンカット出来ても頭が中心軸からズレるとパドルを抜くタイミングで艇がぶれてしまいます。重心を意識する練習にはとても適しています。
午後は早くもスラローム艇で川デビュー。ストリームイン~ストリームアウト、フェリーグライドの基本練習を行った後、クランクの瀬を思い切って挑戦してみました。初めてのスラローム艇での急流挑戦でしたが4名全員沈せずクリア、適応力の高さが半端なかったです。
最後にリバーハウス前に張ってあるスラロームゲートで簡単なスタガーゲート(ジグザクゲート)をトライしてもらいました。私が初心者と上級者の2通りのお手本を示した後、まずは実践ということで漕いでもらいました。簡単なゲートセットでもゲートに当てないどころか、すべてのゲートを通過することさえなかなか出来ず、思いのほか(想定通りですが)苦労していました。
フォワードの漕ぐ力があっても、転覆を回避する咄嗟のパドルを入れる能力が高くても、スラロームゲートを当てないでスムーズに通過することが思いのほか難しいことを実感したのではないでしょうか。
今回は苦労しましたが、通過ラインの知識を身に着けて、個々のストロークの精度を上げればあっという間に上達するでしょう。
スラロームではスィープストローク、リバーススィープ他すべてのパドルの一漕ぎの精度が求められます。成功、失敗がとても分かりやすいので、リバーカヤックのスキル向上にもとてもいい練習になりますよ。
久しぶりに5時間も漕いで私も疲れましたが、皆さんスラローム艇でのカヤック練習を楽しそうに熱心に取り組んでくれて、とてもやりがいのあるレッスンでした。お疲れ様でした。
フェリーグライドのカヤック体験・スクール
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流れのある川を安全に漕げる様になるためのダウンリバーコース。
スラローム技術を習得するための初級スラロームコースがあります。