カヤックは回りながら進むもの(遠心力)
カヤックは回りながら進むもの(もしくは進みながら回るもの)。
最近私は初心者にカヤックを教えるときに最初にこのことを強調します。
カヤックの中心線を漕ぐことは絶対出来ないので、右を漕げばどうしても左に曲がり、左を漕げば右に曲がります。
流れのあるところで漕げば、カヤックの先頭(バウ)が強い流れに入った途端にカヤックが下流側に回転し始めます。
兎に角様々な場面でカヤックは回ります。
▼目次
①軸回転と円運動
さて、一言で回ると言っても、回転運動は2つに分けて考えるべきです。
一つはカヤックの中心(大体お尻のあたりでしょうか)を軸にその場で回る軸回転。
もう一つは円を描いて回りながら進む円運動。もちろん大きな円を描く円運動と軸回転に少し近い小さな円を描く円運動もあります。
で、ここからが本題です。スィープと、リバーススィープを交互に漕いでカヤックをその場で回転させるとほぼ頭とお尻の軸を中心に軸回転します。
その時は重い頭が軸の中心にいるので遠心力はほとんど感じないはずです。
②遠心力の影響
今度はある程度助走をつけた後に右パドルを強く漕いでみます。
するとカヤックは左方向へ円を描くように進むでしょう。
その時カヤックをちょっと左方向に傾けないとどうなるでしょうか。
本来は真直ぐ進みたがる慣性が頭をどんどん外側に誘導して、カヤックは右方向へバランスを崩してしまうはずです。(写真の図を参照してください)
この遠心力、馬鹿にならないぐらい大きな力があり、速度が2倍になると遠心力は4倍になるそうです。
ヘアピンカーブをオーバースピードで突っ込むと遠心力でどんどんアウトに膨らんでしまうのを車やバイクに乗る人は経験しますよね。
強い流れでバウが一気に下流へ向けられる時はあっという間のスピードが出て大きな遠心力がかかるため、初心者は大概上流側に沈してしまうのです。
③遠心力と重力が釣り合うと安定する
この遠心力に対抗してカヤックを安定して円運動させるためにはどうすればよいのでしょう。
皆さん自転車やバイクでカーブを曲がる時に内側に車体を傾けますね。
単純化して説明すると重い頭が重力で倒れようとする力と遠心力で外側へ持っていかれようとする力が丁度釣り合うと安定するのです。
ですから、回転がゆっくりになってきたのにいつまでもカヤックを傾け過ぎていると遠心力よりも重力が勝ってしまうので今度は傾けた方に沈するなんていうこともあるのです。
カヤックを傾ける技術(リーン)の仕方については別の機会に説明します。
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