御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ダウンリバー⑥(ストッパーの突破方法(1))

今回はストッパー(ホール)について説明します。

フェリーグライドでは御嶽渓谷程度の川幅のある川をダウンリバーすることを前提としてカヤック技術を教えています。

上流域の渓谷(クリーク)を下る技術や、ストッパー(ホール)を使ったトリッキーなムーブメントについては対象外とさせて頂きます。

①ストッパーが出来る原因

ストッパーが出来る原因は以前本ブログでも簡単に説明しましたが、主な原因は川底の落差です。

川底に落差があるとその影響で水面にも落ち込みが出来ます。

ウェーブが出来る場合よりも水面と川底との距離が近い場合、大きく落ちた水の流れが反転して渦を作ります。

②ストッパーの形状

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大きく落ちた流れの先に反転する渦が出来ます。

渦の下側には下流に向けての流れがあります。

反転して渦を作った流れの下流側には、下流に向かう流れ(アウトウォッシュ)が出来ます。

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川底が落ち込む場所に尖った個所があると水の流れに筋が出来ることがあります。

「タン」と言い、ここを通過するとストッパーに捕まり辛いです。

川底の形状により様々なストッパーが出来ます。ストッパーの詳細についてはウイリアム・二ーリー著「カヤック」という本がとても参考になると思います。

絶版ですがアマゾンで2500円程度で手に入ります。

③ストッパーの留意点

ストッパーはその名の通りカヤックが捕まるとなかなか脱出出来なくなります。

プレイボートを自由自在に操れるカヤッカーにとっては楽しいストッパーもビギナーには掴まるととても恐ろしい場所になります。

特に堰堤の下流側に出来るストッパーのように川幅全体に出来るストッパーは一度捕捉されると脱出することが困難です。

堰堤とは農業用水を取水したりする目的で川の水をせき止める小さなダムのような構造物です。

堰堤を乗り越えた水が巻いて、強力なストッパーを作ることがあります。

左右に逃げても流れを掴めないため一度捕まると脱出が困難でとても危険です。

最悪の場合死に直結しますので、自身でストッパーの危険度を判断出来ないうちは無理をしないでライン取りで避けられないストッパーや堰堤の前では陸に上がり、下流で再乗艇しましょう。

ダウンリバー全10回

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