フォワードストローク③
今回はフォームや手の動かし方などの留意点を説明します。
▼目次
①フォワードストロークのフォーム
まずはフォワードストロークの構え。これから漕ぐぞというパドルを入水する直前の構えです。
(1)漕ぎ手の方の肩を前に出して上半身を大きく捻る
(2)漕ぐ方の手は前方に伸ばす
但し、100%伸ばし切ると力が入らないので、ほんの少しだけ肘を曲げたポジションから漕ぎ始めます。
(3)反対の手は頭の横(耳の少し上)ぐらいで肘は上げる
(4)漕ぐ方の手は手首を真直ぐ伸ばして小指までしっかり握る
どちらかというと人差し指には力を入れません。
(5)上手も手首が上下どちらにも反らないで真直ぐにする
手首を手前に曲げると、前腕に力が入ってしまい、すぐに腕に乳酸が溜まってしまいます。
(6)ブレードの面を引く方向に対して直角にして漕ぐ
右パドルの握りは固定なので、最初に正しい位置を握ります。左を漕ぐ時は、右の手首の返しを調整して左パドルのブレードの面を調整します。
(7)なるべく骨盤を立てて身体を垂直もしくは多少前傾する
速く漕ぐ時は前方の水からしっかり掴みたいので、前傾度合を大きくします。
(8)両足は膝の内側でカヤックを軽く支える
②漕ぎ手の動作について
次に漕ぐ時の留意点を説明します。
漕ぎ手の動作は4挙動あります。
(1)入水
極力水飛沫を上げないように丁寧にブレードを全部水の中に入れます。
(2)キャッチ
ブレードの面で水を掴みます。掴んだ水を手前に引く力の反作用でカヤックは前に進みます。
水をしっかり掴まないと引く力のすべては反作用に反映されません。
(3)パワー
カヤックの側面すぐ脇を漕ぎます。ブレードの首の部分が水面ギリギリを通過するように漕ぎます。
漕ぎ手は肘をたたむ動作を行い、腕は主に上腕三頭筋を使って漕ぎます。
また、パドルを引きながら肩甲骨を縮めることにより、肩回りの大きな筋肉で漕ぐことが出来ます。
(4)フィニッシュ
ブレードが身体の横まで来たら、脇へ引き上げるようにして水面から出します。
後ろまで漕ぐとカヤックに回転が付きやすくなります。
③体幹の動きと足の動き
(1)漕ぐ方の足先を踏ん張ることにより上体の捻りを加えやすくなる
(2)両膝の内側でカヤックを押さえつけて身体にカヤックをフィットさせる
漕ぎ手側の膝を少し持ち上げながらわき腹を縮めると、ローリングが起きづらくなります。
(3)上手は前方にパンチする
体幹が捻りづらい人は肩を前に出すことを意識すると大きく上体を捻れます。
(4)頭の位置は動かさないで体軸を中心に上半身を捻転させる
この力が漕ぎ手に伝えられると、パワフル且つ疲労しづらい漕ぎになります。
腰を捻ると一般に言われますが、実際に大きく捻れるのは腰椎ではなく胸椎です。
アスリートは肋骨回りの筋肉の伸び縮みもフォワードストロークのパワーに利用しています。
沢山のことを書いてしまいました。これを全て一度に意識して漕ぐことは出来ません。
ひとつずつ試してみて、これはいいなっていうものを取り入れて、自分なりの合理的な漕ぎを身に付ければよいと思います。
一度スピードに乗った後に抵抗の少ない綺麗な漕ぎをすれば、惰性により物理的にはほとんど力を入れなくても同じスピードで動き続けます。
あとは繰り返し練習するのみです。
たまには静水で基礎練習をしてみてはいかがですか。
言葉で全てを理解することは難しいですね。
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