御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

流れの中でのカヤックの安定

通常リバーカヤックは船底がほぼ平らです。

スラローム艇や昔のポリ艇は多少丸みを帯びています。

フラットウォーターレーシング艇のように船底が尖っていませんので、慣れれば結構安定感のある乗り物です。

でも、初心者が初めてカヤックに乗ると、結構グラグラしますね。

静水でカヤックに乗った瞬間、まだカヤックが進み出す前は意外とバランスを取り辛く感じる人もいるでしょう。

逆に、漕ぎ出してカヤックが進み出すと安定感が出てきます。前に進む慣性が生まれると安定感が出るのは、自転車が進み出すと安定するのと一緒です。

さて、カヤックを川で漕ぐときはどうでしょう。

カヤックを漕がないで川の流れに身を任せている時は川の流れに乗っかってカヤックが川の流れと同じスピードで動きます。

等速で動いているトラックの荷台の上で自転車を漕がずバランスを取っているのと同じです。

自転車ほどバランスを崩しやすくはありませんが、漕がないとバランスを崩しやすいカヤックも流れよりも速いスピードで漕いで初めて安定感が出てくるのです。

最近主流のプレイボートや、新しいダウンリバー艇はフラットボトムが主流なので、流れの上を漂うようにゆっくり漕いでもバランスを崩しませんが、スラローム艇やラウンドボトムの少し古いダウンリバー艇の場合は安定感が多少劣るので、流れよりもカヤックを速く滑らせることがカヤックの安定を保つ上で重要なのです。

流れよりカヤックが速く進むとその他にも様々なメリットがありますよ。(デメリットもありますが)

次回のブログではカヤックと流れとの速度差について解説致します。

様々なパドル操作を有効に活用するためには必ず意識すべき需要なポイントです。

フェリーグライドのカヤック体験・スクール

カヤック体験は、初めての方でも安心湖での初心者向けカヤック体験です。

カヤックを「もっと上手に漕げるようになりたい」方にお勧めの、カヤックスクール
流れのある川を安全に漕げる様になるためのダウンリバーコース
スラローム技術を習得するための初級スラロームコースがあります。

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