御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ダウンリバー④(カーブを漕ぐ)

今回は蛇行している流れの漕ぎ方を説明します。

①カヤックはカーブの外側に膨らみやすい

ダウンリバー②(水の流れ方)で説明した通り川は蛇行しながら下流に向かって流れます。

ダウンリバーの際は本流を漕ぐと水深があり流れも速いので楽に川下りが出来ますが、流れが蛇行する場所ではカーブの外側の流れが岸に激突したり岸に沿って流れたりします。

また、しっかり漕いで流れより速く進んでいるカヤックはカーブの外側へ膨らみます。

油断して流れに沿って漕いでいると気が付いた時には外側の岸に衝突してしまうのです。

②曲げる動作は早めに

速い流れがカーブする場所が近づいたら早めのライン取りでスムーズに通過しましょう。

DSCN4853

まず、本流の外側のラインを漕いでいる場合は少し内側のラインに乗り換えます。

カヤックの向きを変えるスィープストロークは早めに漕ぎます。

カーブの頂点では次に行く方向に向けて漕ぎ出す

カヤックがカーブの頂点に差し掛かるタイミングで次に行く方向に向けてフォワードストロークを始めます。

ワンテンポずつ早く動作すると外側に膨らみ過ぎないライン取りが出来るのです。

③安全策・ショートカットライン

外側に膨らむと危険なカーブでは安全策を取ってカーブの内側の遅い流れを漕ぎましょう。

但し、漫然と内側へ向きを変えて漕ぎ進むとバウが流れの遅い部分に差し掛かるタイミングで急激に上流に向かって回転してしまいます。

バウが急減速するのにスターンが強い流れで下流に流されるから回ってしまうのです。

DSCN4854

カーブの内側をスィープストロークする

真っ直ぐ漕ぎ進むためにはバウが遅い流れに掛かるタイミングでカーブの内側をしっかりスィープストロークすれば良いのです。

タイミングが合えば行きたい方向へ勢いよくカヤックが進むでしょう。

ダウンリバーのコツ全10回

フェリーグライドのカヤック体験・スクール

カヤック体験は、初めての方でも安心湖での初心者向けカヤック体験です。

カヤックを「もっと上手に漕げるようになりたい」方にお勧めの、カヤックスクール
流れのある川を安全に漕げる様になるためのダウンリバーコース
スラローム技術を習得するための初級スラロームコースがあります。

カヤック技術編 』カテゴリの最新記事

番外編 体幹の捻りで漕ぐ(2)

今回はフォワードストロークを漕ぐ時の体幹の捻りについて説明します。体幹に捻りで漕ぐ(1)でも述べたように、フォワードストロークを漕ぐ時は漕...

番外編 体幹の捻りで漕ぐ(1)

「カヤックは手だけで漕ぐのではなく体幹の捻りを使って漕がなくちゃ」ってよく言われますね。体幹のありとあらゆる筋肉を駆使して漕げれば手の筋肉...

ダウンリバー⑩(岩を避ける)

本流の強い流れの真ん中に大きな岩があり、流れが岩に激突していることが多々あります。岩が水面下ギリギリの位置にある場合、気が付かずに漕ぎ進め...

ダウンリバー⑨(流れと流れの合流地点)

本流に支流の川が合流する場所や、岩によって一度分けられた流れが再び合流する場所はとても不安定なエリアが暫く続きます。強い流れ(本流)に対し...

ダウンリバー⑧(シュートの漕ぎ方)

今回はシュートの漕ぎ方について説明します。①シュートは何故出来る?川幅の広いところから急激に川幅が狭くなると左右から川の中心に向かう流れ...

ダウンリバー⑦(ストッパーの突破方法(2))

今回はストッパーを突破する漕ぎ方について説明します。但し、無駄な労力を使わずに安全に川下りするためには、避けるラインがあるのであればストッ...

ダウンリバー⑥(ストッパーの突破方法(1))

今回はストッパー(ホール)について説明します。フェリーグライドでは御嶽渓谷程度の川幅のある川をダウンリバーすることを前提としてカヤック技術...

ダウンリバー⑤(ウェーブの漕ぎ方)

ダウンリバー⑤(ウェーブの漕ぎ方)今回はウェーブ(立ち波)の突破方法について説明します。ウェーブと一概に言ってもその大きさや形状は様々な...