御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

カヤック上達のための自然の法則講座①

すべてのスポーツの共通することですが、カヤックも自然(物理)の法則に逆らうと上手く漕げません。

当たり前のことを言うようですが、実際にカヤックを乗っている方は自然の法則に反することを多々やっていて、そのせいで速く漕げなかったりバランスを崩したりはたまたあらぬ方向へカヤックが進んでしまったりするのです。

カヤックを無駄な力を入れずに行きたい方向へスムーズに導くために最低限気を付けて頂きたい自然の法則について、わかりやすく説明したいと思います。

①慣性の法則

まず最初に、運動の第1法則って覚えていますか?

私は中学生の時に落ちこぼれたため、難しい計算式が出てくると、何のことかさっぱりわからなくなってしまいますが、要は慣性の法則のことですね。難しい計算はさておき。

外から力が加わらなければ静止している物は静止し続ける。

外から力が加わらなければ等速で動いている物は等速で動き続ける。

当たり前のことですけれども、初心者に、カヤックを流れの方向にピッタリ向けてちょっと漕いでカヤックを静止させた後、その場で止まれますよって教えると結構驚かれます。

初心者ならまだしもある程度カヤック経験のある人に知らなかったなんて言われることがあってちょっとそれは困ったなあって思うこともままあります。

流線型のカヤックは水の流れを左右に逃がすため、流れの中でも止まっているカヤックにほとんど力が加わらないのでしばらくは止まっていられるのです。

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それとは反対に穏やかな静水を一定の速度で静かに丁寧に漕いでいると、全く疲れずに漕げることがありますね。

一定の速度で安定して動き出したカヤックは、水の抵抗をあまり受けないため慣性の法則でほぼ減速せず動き続けるのです。

ほんのちょっとの方向調整と減速しない程度に力を加えるパドルを入れれば十分なのです。

ということで、楽に漕ごうと思ったら慣性の法則が上手く活用出来るよう、流れに対するカヤックの向きを安定させたり、カヤックの揺れを極力減らしたりすることが重要なのです。

自然の法則の説明はまだまだ続きます。次回は運動の法則を。

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