御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

カヤックを身体全体で操る(上半身の捻り)

膝とつま先でカヤックと身体を密着させたらカヤックと身体は一体になります。

カヤックを自由自在に操る人は、下半身にカヤック手にはブレードが付いた動物のよう、もはや乗っているという感覚はないのではないでしょうか。

それはさておき、バランスを崩さずカヤックを漕ぐためには上半身とカヤックの向きとの関係をよく理解しておく必要があります。

カヤックは膝とつま先でカヤックと密着しているので上半身と下半身の向きと考えても良いでしょう。

例えば、カヤックの先だけがちょっと速い流れに入って下流に回転し始めたのに、真直ぐに進みたいと目線と上半身を行きたい方向に向けたままでいると、上半身と下半身の向きがどんどん開いて、しまいには回転する側にひっくり返ります。

この時、回転による遠心力の影響も被るのでダブルの力でバランスを崩すことになります。

上半身を先に捻って下半身とカヤックが後から付いてくるとカヤックは安定する

それに対して、回転し始めた瞬間、すぐに目線と上半身を先回りさせてこれからカヤックが回る方向に向けてしまったらどうなるでしょう。

カヤックは自然と回転する側に少し傾き遠心力にも対抗出来るし、先に捻った上半身にカヤックと下半身が後から付いてくる感じになるのでカヤックが安定します。

最初は大きく上半身を捻るのはちょっと躊躇してしまうかもしれませんが慣れれば思い切って出来るようになります。

後に説明するストリームインの時の姿勢はまさにこれです。

体幹の捻りが回転力を生む

この上半身の捻り、カヤックをクィックに回転させる時にもよく使います。

上半身を捻った状態でパドルが水を掴むと、苦しい状態を解消しようと下半身に密着したカヤックがクィックに回ろうとするのです。

腰回りの固い人は陸上でストレッチをして少し腰回りの柔軟性を高めると良いですよ。そして、身体のとても柔らかい人に一言アドバイス。

首だけ回して下流を見ても上半身が捻れていないと安定しません。

私は上半身を捻る時、外側の肩を前に出すイメージで捻りを加えています。

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