フォワードストローク①
カヤックを前に効率よく進めるためのパドルです。
カヤックの技術はフォワードストロークに始まってフォワードストロークに終わるって言っても過言でない程重要な漕ぎで、スラローム選手もオフシーズンは白丸湖でフォワードストロークの練習に励んでいます。
一般のパドラーはそれほど厳密に考える必要はありませんが、少ない力でより速く、より効率的にカヤックを進ませるためには、スラローム選手の漕ぐフォワードストロークを参考にしてみるのは良いことだと思います。
ですので、ちょっと細かく漕ぎ方を説明します。
重要なポイントはいくつかありますが、全部意識して漕ぐことは普通の人には出来ません。
最初は一つか二つぐらいのことを意識して練習して、ほとんど無意識に出来るようになったら次の課題を意識して練習してというように、無意識に上手く出来ることを増やしていくのが良いと思います。
そして、ちょっとスランプになった時は、ポイントを思い出せば早く修正出来るでしょう。
ではまず、カヤックの動きからおさらいです。
カヤックはジグザグしながら前に進む
「カヤック上達のための自然の法則講座④」でも少し説明しましたが、右を漕いで発生する進みながら左に曲がる力に左を漕いで進みながら右に曲がる力を合わせます。
左パドルで発生させる力の方がほんの少しでも強いと、カヤックは進みながら右に回転し始めます、今度はすぐに右を漕いで進みながら左に曲がる力を合わせます。
絶妙なタイミングで漕ぐと、前に進み始める力の慣性も相まって、左右のブレがだんだん小さくなり、長めのダウンリバーカヤックで漕いだ場合最後は回転しながら進んでいるのか見た目ではほとんど分からないぐらい真直ぐ進むようになります。
練習方法とカヤックの動きのポイント
①まずは行きたいところ(目標点)を明確に決めて見続けます。
②バウ(カヤックの先端)を見続けて、カヤックの進む方向と回転の勢いに気を配ります。
③ゆっくりと漕ぎ始めます。漕ぎ始めは前に進む慣性がほとんどないので、左右の回転が大きくなります。
強く漕ぎ過ぎると、左右に回転し過ぎて前に進む力にはなりません。
④目標点とバウを見続けて、バウが目標点を越えたら、すぐ反対、すぐ反対というタイミングで漕ぐ。(ジグザグのふり幅のなるべく小さくする)
⑤左を漕いでもカヤックが右に返らない時は、順番にパドルを漕がずにもう一度左を漕いで右に回転する慣性をつける。(左右どちらにカヤックが回ろうとしているかを見極めることが、パドル左右順番に漕ぐことより優先する)
⑥左右どちらに回転しているかだけでなく、回転の速さも見極める。(左右のパドルの力配分が丁度釣り合った時、カヤックはどちらにも曲がらず真直ぐ進むことがあります。その時次のパドルを遠慮なく力強く漕ぐといきなり大きく曲がり始めてしまうので、大きな回転慣性をつけないように優しく漕ぐ等力加減の調整が重要です。)
フォワードストローク
これで上手く真直ぐ漕げればカヤックは簡単なのですが、そう簡単にはきれいに真直ぐ漕げないのがカヤックの難しさであり面白さなのです。
次回はリーンのいたずらについて説明します。
フォワードストローク全3回
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