ストリームイン③(下流踏み切りのコツ)
下流踏み切りで奥の流れに入る漕ぎ方のコツを説明します。
▼目次
①踏み切りパドル
前方からしっかりと水を掴んでフォワードストロークを漕ぎます。
流れを受けてカヤックが回転し始めるのを感じながら胴体の横あたりでストロークを終了するか、少し後ろまで漕ぐかを調整します。
②踏み切り時の角度
2時、10時を目安に流れの速さによって微調整します。
2時、10時ぐらいは、踏み切りのパドルでカヤックがほぼ横方向にフェリーグライドする角度です。
角度が深くなると踏み切った後カヤックが上流側に上がって放物線を描くような軌跡になってしまうと却って奥の流れに入れません。
一瞬フェリーグライドして横方向に進んだ後ゆっくりバウが下に向き始めるぐらいになると、一番奥の流れに最小の力で入れることが出来ます。
経験を積むと入りたいラインによってバウの角度や踏み切りの強さを微妙に調整することも出来るようになります。
③踏み切りのタイミング
バウが流れに入って回され始めるタイミングで下流側にフォワードストロークを漕ぐと回転と回転のせめぎ合いでカヤックはイメージした角度のまま前方に進みます。
このタイミングは助走スピードや漕ぐ力の強さなどによっても変わりますので繰り返しの練習で身に付けます。
④2段踏み切り
強い流れにストリームインする時や助走が付けられない時は、踏み切りのひと漕ぎでバウからスターンまでフェリーアングルをキープしたまま流れに入れることが出来ません。
その場合は、踏み切りパドルをクイックに2回漕ぐことにより、2回目のパドルでスターンを流れの中に出します。
力の弱い女性も2段踏み切りを上手く使うと下流踏み切りで奥の流れに楽に入ることが出来ます。
⑤下流リーン
踏み切りのタイミングでカヤックをゆっくり下流側に傾けます。
遠心力に対抗するため頭を少し回転の内側に入れますが、頭から倒し込むと傾き過ぎます。
外側に膝を持ち上げながらわき腹回りの体幹の筋肉をちょっと縮めてリーンコントロールします。
バウが6時方向に近づいて回転が遅くなってきたらリーンをゆっくりと解きます。
⑥上半身の捻り
踏み切りのパドルを漕いだら、目線を行きたいラインに向け、上半身を下流方向に捻ります。
⑦失敗パターン
初心者が陥りやすい失敗のパターンを説明します。
⑴エディーの中でリーンしながら助走してしまう時。
踏み切りパドルを漕いでもバウはすぐに下流を向いてしまい奥の流れに入ることが出来ません。
⑵踏み切りパドルでバウの回転を止められずに慌ててもうひとパドル漕いだ時。
バウと足が下流側に回り始めているのに、目線と上半身はまだ対岸方向を向いているため上半身と下半身の向きと遠心力の影響で上流側にあっという間に沈します。
次回は上流踏み切りのコツを説明します。
ストリームイン 全5回
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