御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ストリームアウト①(基本動作)

流れの中をダウンリバーしている状態からエディーの中に入るまでの一連の動作を本ブログでは「ストリームアウト」と呼ばせて頂きます。

ダウンリバー中に休憩したり下流の様子を見たりするために一旦エディーで止まるケースは多々ありますが、自分が入りたいエディーに正確に入ることは初心者にとってはかなり難しいことではないでしょうか。

また、荒れたエディーライン近辺は沈しやすい場所ですね。

今回からストリームアウトのコツについて4回に分けて説明させて頂きます。

①ストリームアウトのライン

DSCN4645

6時でダウンリバーからイメージ通りにエディーに入るまでのラインを頭の中で描いてみましょう。

入りたいエディーに正確に入れるようになるためには漫然とエディーに入るのではなく、エディーラインのどの位置を突破するかを決めて練習します。

ある位置で曲げる動作(スィープ等)を行います。カヤックが4時、8時ぐらいの角度になったらエディーに向けてカヤックを漕ぎます。

スィープ等でカヤックを曲げる間に下流方向へ流れる距離や、4時、8時でエディーに向けて漕ぎ進む間に下流に流される距離も計算に入れて曲げる動作を行うタイミングを決めなくてはいけないのです。

流れの速さによってもカヤックを漕ぐ速さによって曲げる動作を行うタイミングが違ってきますので、沢山練習して経験を積む必要があります。

②エディーライン突破時の角度

強い流れとエディーとの境のエディーラインは結構荒れています。

スピードをつけて一気に突破して安定しているエディーの奥側に入りたいです。

4時、8時ぐらいの角度で漕ぎ進むとスピードが乗るため、一気にエディーラインを突破することが出来ます。

5時、7時ぐらいの角度ではエディーラインが荒れている時は弾かれてエディーに入れないことがあります。

また、1時半とか10時半ぐらいの上向きの角度でゆっくりエディーラインを突破するとエディーライン上の荒れた場所でカヤックが止まってしまいま
す。

何時の角度でエディーラインを突破しなくてはいけないという決まりはありませんが、最初は4時、10時ぐらいで勢いよくエディーの奥にカヤックを導く練習から始めると安定感が実感できるでしょう。

③エディーライン突破時のスピード

バウがエディーラインに入るとバウはエディーに捕まりますが、スターンはまだ流れに押されて下流側に落とされます。

カヤックにスピードがないとエディーライン近辺でカヤックが急激に回されてあっという間に上流側に向いて止まってしまいます。

エディーの奥の安定したところに入ろうと思ったらエディーライン突破時のスピードが必要になります。

4時、10時でしっかり漕いで事前に十分なスピードが付いていればあとは惰性でエディーの奥の方までカヤックを導くことが出来ます。

また、バウがエディーに入って回され始める瞬間に上流側を漕ぐことにより回転を止め、エディーの奥に一気にカヤックを進めることも出来ます。

④上流リーン

ストリームアウト時はバウが上流に向かって回転するため、遠心力が回転の外側(下流側)に掛かります。

下流側に沈しないように、エディーラインを突破するタイミングでカヤックを上流側に傾けて下さい。

次回はスィープでストリームアウトの角度を作る方法を説明致します。

ストリームアウトのコツ 全4回

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