御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ストリームアウト③(ラダーで角度を作る)

今回はラダーでストリームアウトの角度を作る方法を説明します。

ラダーは、前方にパドルを差すだけでカヤックを円運動させることが出来るとても便利パドル操作ですので有効に使うと楽にストリームアウトのラインを作ることが出来ます。但し、ラダーパドルを使うに際しては幾つかの前提条件があります。

①カヤックを流れよりも速く進める。

カヤックが流れよりも速く進んでいないとラダーパドルが前方の水に当たりません。

事前のフォワードストロークでしっかりとスピードが出ていることがラダーパドルを使う前提条件となります。

ラダーパドルはカヤック(若しくはブレード)の進むスピードと流れのスピードとの速度差があればあるほどよく効きます。

②カヤックの回転慣性

ラダーパドルは真直ぐ進むスピードがしっかり付いている時とても効果がありますがラダーパドルを入れる方向と反対に回転慣性が付いている時にパドルを差すとカヤックの進む方向とラダーパドルで誘導したい方向がどんどん離れて最後に沈してしまいます。

とは言え、カヤックが回りたい方向へスィープしてからラダーパドルを入れるとラダーの効果でカヤックが回っているのかどう実感出来ません。却って回転を阻害する要因になってしまうこともあります。

ラダーパドルは前方に進む力がしっかりあり、かつほんの少しだけラダーパドルを入れて曲げたい方向へ回転慣性が付いているぐらいの時に差すのが効果的なのです。

この按配が結構難しいので繰り返し練習して自分のものにしてください。

③リーンの併用

ラダーパドルを差すとともにラダーパドルを差す側へリーンします。

エッジを作ることによりカヤックを綺麗に円運動させる理屈は前回の「スィープで角度を作る」で説明した通りです。

流れとカヤックとの速度差の大小でスィープとラダーどちらを選択した方が効果的かが変わります。

いろいろ試してみてください。

ストリームアウトのコツ 全4回

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