御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

ダウンリバー①(前向きな心)

フェリーグライド、ストリームイン、ストリームアウトを身に付けたらいよいよダウンリバー(川下り)に出発です。

今回からダウンリバーのコツについて10回シリーズでお伝えいたします。

①ドキドキ感がカヤックの醍醐味

ダウンリバーは経験を積む毎に安全に上手に下れるようになりますが、ダウンリバー初心者にとって一番大事なことはテクニックや知識以前の問題として前向きな心を持っているかどうかでしょう。

多くのダウンリバー初心者は瀬の音が聞こえてくるとドキドキします。このドキドキ感がカヤックの醍醐味と言っても過言ではないでしょうが、ドキドキし過ぎて腰が引けてしまってはいけません。

②前傾して漕ぎ続ける

目の前に白波が迫ってくると臆病な人はどうしても怖いものを出来るだけ避けようとして頭を後方に反らします。

漕ぐのをやめて万歳してしまいます。後傾になってしまって腸腰筋が伸びきってしまった状態で瀬の中に入るとちょっとバランスを崩すともうなすすべがありません。

でも、しっかり前傾してパドルで水を掴んで漕ぎ続ければ意外と安定感を損なわずに瀬を突破出来てしまうものなのです。

③成功体験を積んで自信をつける

この白波に対しての恐怖感は人それぞれで、初心者でも全然怖がらない人もいればかなり極端に怖がってしまう人もいます。

怖いなって強く感じる人は正しい姿勢で漕いで瀬を安全に突破する成功体験を積んで少しずつ克服して行きましょう。

最初のうちはドキドキした瀬が次第に全く当たり前に下れるようになっているはずです。

④勇気だけで下らない

但し、リバーカヤックは勇気だけでは安全に下れません。

初心者が初めてダウンリバーする際は沈した場合の対処方法を事前にしっかりと学んで下さい。

ひっくり返って慌てて立とうとして川底の岩に足が引っ掛かってしまうと最悪の場合溺れてしまいます。

急流で沈した場合の安全な対処方法(ラッコのポーズ)が咄嗟の場合でも出来ることが川で漕ぐための最低条件です。

川を必要以上に怖がらずでも侮らずダウンリバーを楽しんで下さい。

⑤ラッコのポーズ

仰向けになって足を下流にして流れる姿勢のこと。流れの速い浅い瀬で立つと川底に足が引っ掛かかる危険性があるため安全な場所までは流れに逆らわず流されます。岩が迫ってきた場合は足でキックして避けます。

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ダウンリバー全10回

フェリーグライドのカヤック体験・スクール

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