フェリーグライド②
今回はエディーから流れにストリームインする際のコツを説明します。
川幅一杯流れがほぼ一定の速さで流れている川であれば、ストリームインさえ集中すれば後は目指す角度をキープして優しく漕げばカヤックは勝手に対岸へ滑ってしまいます。そう、ストリームインの時のパドルの漕ぐ強さとタイミングで勝負が決まるのです。
川の流れの速さと自分の漕力から判断して10時ぐらいの角度をキープすればほぼ真横に向かってフェリーグライドが出来ると予測したとします。
フェリーグライドの練習
では、早速フェリーグライド開始しましょう。
エディーが広く助走するスペースがあるのであれば、ある程度スピードをつけてエディーラインをイメージ通りの角度で突破します。
バウが流れに入ると流れで押されて回転し始めます。
助走で横方向へ進む力がついているとバウは進みながら円運動し始めます。
この回り始めを感じながら下流方向を力強くフォワードストロークで漕ぎます。下流を漕げばカヤックは進みながらゆっくり上流方向へ回転する力が加わります。
このふたつの力を合わせてカヤックを最初にイメージした10時の角度のままでスーッと伸ばすのです。
このひと漕ぎでカヤックのスターンまで流れに入り、なおかつ自分のイメージした10時の角度がキープ出来たらストリームインは完成です。
暫くして、ゆっくりとカヤックが9時方向に回り始めたら下流から漕ぎ始め、12時方向に回り始めたら上流方向から漕ぎ始めましょう。
この踏み切りのパドルでスターンまでカヤックを流れに出すというイメージが実はとても重要なのです。
最近の短いプレイボートはスターンも短いのであまり意識しなくてもスターンが出てしまいますが、スラローム艇等自分の身体の1.5m以上後ろまでスターンが延びている長いカヤックではスターンがエディーに残ってバウだけまた回されてしまうということがよく起こり、ストリームイン失敗の原因になるのです。
アドバイス
ここで踏み切りの下流フォワードストロークの漕ぎ方を一言アドバイス。
パドルは立てて出来るだけ前方から水を掴んで漕ぎましょう。
前方から横まで漕いでスターンが出たなって感じたところで漕ぐのを止める。
まだ回転が止まらないなと思ったら少し後ろまで漕ぐ。
慣れてくると回転を感じながら漕ぐ力強さとどこまで漕ぐかをほぼ無意識のうちに調整することが出来るようになります。
下流踏み切りのパドルをサッと漕いでしまう人が多いのですが、水をしっかり掴んでじわっと漕ぐ感じになればストリームインの失敗は大幅に減ると思います。
力が弱い時
力の弱い女性はひと漕ぎでスターンまで流れに出す強い踏み切りが漕げないなと思ったら、踏み切りのパドルのタイミングを少し遅くすればよいのです。
つまり、流れにバウが入って回され始める瞬間に下流をひと漕ぎ、その後すかさず2漕ぎ目を下流フォワードストロークするのです。
「下流をちょん、ぐいっ」っと踏み切ると良いのです。
流れがとても強い川をフェリーグライドする時も、スターンまで出る前にバウが一気に回されて下流側に落とされないようにこの技をよく使います。
バウからスターンまで想定した角度で流れに入れることが出来れば、あとはどんなに流れが強かろうが正確にフォワードストロークが漕げれば一定の角度がキープ出来るので滑るように対岸へ進むはずです。
フェリーグライド 全6回
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