御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

フェリーグライド④

今回はフェリーグライドの練習方法についてご案内致します。

フェリーグライドの練習を行うに当たって私は2段階に分けて教えています。

第一段階は「まずは気持ちよくフェリーグライドすること」。

第二段階は行きたいところに正確なラインで行くこと」。

最初に欲張り過ぎて第二段階から始めてしまうと、一定の角度を保って惰性で気持ちよく横滑りする感覚がなかなか掴めません。

角度とリーンが安定すると惰性が使えてカヤックが気持ちよく滑ることを身をもって感じた後にラインにこだわって練習した方が楽しくかつ早く上手くなると思います。

練習してみよう

では第2段階の練習方法を説明します。

スタート地点からゴール地点まで真直ぐ引いた線上をフェリーグライドすることを心がけます。

ですので、スタート地点とゴール地点を明確に決めてから練習を始めます。

DSCN4024

ゴール地点を目線で追いながら、途中のラインも見ます。

カヤックの角度が安定させるためバウの向きにも目配りします。

途中のラインが登ったり落ちたりしないように真直ぐ対岸にフェリーグライドすることが意外と難しいことに気付くと思います。

上手くいくときはやはり惰性を使ったスムーズなフェリーグライドが出来ている時です。

フェリーアングルとリーンを安定させることを意識して繰り返し練習します。

リカバリーは1パドルで

失敗した時のリカバリーについても練習しましょう。

どんな方法を取るにせよリカバリーパドルは1パドルだけで決着をつけるように心がけて下さい。

①下流方向を連続してフォワードストロークすることにより角度を戻す。

②下流方向をスィープストロークすることにより角度を戻す。

③上流方向をリバーススィープすることにより角度を戻す。

②、③と選択するにつれてフェリーグライドのスピードが落ち、カヤックは下流側に落とされます。

バウが回され始めるのに気付いた瞬間すぐリカバリーパドルを入れると比較的小さい力でバウを元の角度に戻すことが可能です。

カヤックが回転し始めて暫くすると回転に加速度がついてしまいます

勢いよく回り始めたバウを戻すのには大きな力が必要で、強く漕いで却ってバランスを崩してしまうこともありますのでしばらく待ってからリカバリーパドルを入れる方法もあります

DSCN4025

バウの向きが戻るか戻らないかは、流れでカヤックが下流方向に回される力とスィープパドル等によりバウを上流方向へ向けようとする力との力と力のせめぎ合いの結果によるのです。

スィープストロークをスターンまでしっかり漕ぐと案外楽にひと漕ぎでカヤックの向きを戻すことが出来るのです。

次回は流速差のある川を横切るフェリーグライドについて説明します。

フェリーグライド 全6回

フェリーグライドのカヤック体験・スクール

カヤック体験は、初めての方でも安心湖での初心者向けカヤック体験です。

カヤックを「もっと上手に漕げるようになりたい」方にお勧めの、カヤックスクール
流れのある川を安全に漕げる様になるためのダウンリバーコース
スラローム技術を習得するための初級スラロームコースがあります。

カヤック技術編 』カテゴリの最新記事

番外編 体幹の捻りで漕ぐ(2)

今回はフォワードストロークを漕ぐ時の体幹の捻りについて説明します。体幹に捻りで漕ぐ(1)でも述べたように、フォワードストロークを漕ぐ時は漕...

番外編 体幹の捻りで漕ぐ(1)

「カヤックは手だけで漕ぐのではなく体幹の捻りを使って漕がなくちゃ」ってよく言われますね。体幹のありとあらゆる筋肉を駆使して漕げれば手の筋肉...

ダウンリバー⑩(岩を避ける)

本流の強い流れの真ん中に大きな岩があり、流れが岩に激突していることが多々あります。岩が水面下ギリギリの位置にある場合、気が付かずに漕ぎ進め...

ダウンリバー⑨(流れと流れの合流地点)

本流に支流の川が合流する場所や、岩によって一度分けられた流れが再び合流する場所はとても不安定なエリアが暫く続きます。強い流れ(本流)に対し...

ダウンリバー⑧(シュートの漕ぎ方)

今回はシュートの漕ぎ方について説明します。①シュートは何故出来る?川幅の広いところから急激に川幅が狭くなると左右から川の中心に向かう流れ...

ダウンリバー⑦(ストッパーの突破方法(2))

今回はストッパーを突破する漕ぎ方について説明します。但し、無駄な労力を使わずに安全に川下りするためには、避けるラインがあるのであればストッ...

ダウンリバー⑥(ストッパーの突破方法(1))

今回はストッパー(ホール)について説明します。フェリーグライドでは御嶽渓谷程度の川幅のある川をダウンリバーすることを前提としてカヤック技術...

ダウンリバー⑤(ウェーブの漕ぎ方)

ダウンリバー⑤(ウェーブの漕ぎ方)今回はウェーブ(立ち波)の突破方法について説明します。ウェーブと一概に言ってもその大きさや形状は様々な...