フェリーグライド④
今回はフェリーグライドの練習方法についてご案内致します。
フェリーグライドの練習を行うに当たって私は2段階に分けて教えています。
第一段階は「まずは気持ちよくフェリーグライドすること」。
第二段階は行きたいところに正確なラインで行くこと」。
最初に欲張り過ぎて第二段階から始めてしまうと、一定の角度を保って惰性で気持ちよく横滑りする感覚がなかなか掴めません。
角度とリーンが安定すると惰性が使えてカヤックが気持ちよく滑ることを身をもって感じた後にラインにこだわって練習した方が楽しくかつ早く上手くなると思います。
練習してみよう
では第2段階の練習方法を説明します。
スタート地点からゴール地点まで真直ぐ引いた線上をフェリーグライドすることを心がけます。
ですので、スタート地点とゴール地点を明確に決めてから練習を始めます。
ゴール地点を目線で追いながら、途中のラインも見ます。
カヤックの角度が安定させるためバウの向きにも目配りします。
途中のラインが登ったり落ちたりしないように真直ぐ対岸にフェリーグライドすることが意外と難しいことに気付くと思います。
上手くいくときはやはり惰性を使ったスムーズなフェリーグライドが出来ている時です。
フェリーアングルとリーンを安定させることを意識して繰り返し練習します。
リカバリーは1パドルで
失敗した時のリカバリーについても練習しましょう。
どんな方法を取るにせよリカバリーパドルは1パドルだけで決着をつけるように心がけて下さい。
①下流方向を連続してフォワードストロークすることにより角度を戻す。
②下流方向をスィープストロークすることにより角度を戻す。
③上流方向をリバーススィープすることにより角度を戻す。
②、③と選択するにつれてフェリーグライドのスピードが落ち、カヤックは下流側に落とされます。
バウが回され始めるのに気付いた瞬間すぐリカバリーパドルを入れると比較的小さい力でバウを元の角度に戻すことが可能です。
カヤックが回転し始めて暫くすると回転に加速度がついてしまいます。
勢いよく回り始めたバウを戻すのには大きな力が必要で、強く漕いで却ってバランスを崩してしまうこともありますのでしばらく待ってからリカバリーパドルを入れる方法もあります。
バウの向きが戻るか戻らないかは、流れでカヤックが下流方向に回される力とスィープパドル等によりバウを上流方向へ向けようとする力との力と力のせめぎ合いの結果によるのです。
スィープストロークをスターンまでしっかり漕ぐと案外楽にひと漕ぎでカヤックの向きを戻すことが出来るのです。
次回は流速差のある川を横切るフェリーグライドについて説明します。
フェリーグライド 全6回
フェリーグライドのカヤック体験・スクール
カヤック体験は、初めての方でも安心の湖での初心者向けカヤック体験です。
カヤックを「もっと上手に漕げるようになりたい」方にお勧めの、カヤックスクール。
流れのある川を安全に漕げる様になるためのダウンリバーコース。
スラローム技術を習得するための初級スラロームコースがあります。