御岳ひぐらし日記

フェリーグライドインストラクターの工藤が、カヤックのこと、ツーリングのこと、御岳渓谷の日々の出来事、奥多摩の観光情報などを綴ります。

フェリーグライド⑥

今回はウェーブを利用するフェリーグライドについて説明致します。

少し難しい技ですので初心者はある程度のスキルを身に付けてから練習して下さい。

御岳エリアの多摩川も少し増水すると多くのウェーブが発生します。

水没した岩の下流側や川幅が狭まり流れが一カ所に集まるシュートの下流などにウェーブが発生しますが、特に10時から4時方向もしくは2時から8時方向など少し斜めに出来るウェーブはカヤックを綺麗にウェーブに這わすと端から端まで一気に滑るように進みますのであっという間にフェリーグライドが出来ます。

この斜めに出来るウェーブを利用したフェリーグライドは速い流れでもコツさえつかめば全く力を使わずに対岸に渡れるので是非覚えて頂きたいテクニックなのですが、ちょっと増水しないと綺麗なウェーブが現れないので、まずはエスキモーロールを完璧にしてから果敢に挑戦して下さい。

海のうねりと川のウェーブとの違い

海のうねりは水が上下するだけでうねりの方が横移動するのに対して、川のウェーブは同じ場所にでき続けますが水は下流に向かって進みます。

ウェーブの頭は重力に反して水が上がるので流れのスピードが僅かに遅くなります。

反転する渦も出来ることがあるので少し抵抗になりその場に留まりやすい場所になります。

綺麗なウェーブは水面がなだらかで摩擦が少ないので一度ある程度のスピードでカヤックをウェーブに導くと後はそのまま減速せず進み続けます。

ウェーブに沿ってカヤックを滑らせる

ウェーブの下流側の山に下流側のカヤック後方のロッカーを押しあてるイメージで少し下流側にカヤックを傾けるとウェーブを乗り越え辛くなるため、ウェーブがレールの働きをしてカヤックが勝手にフェリーグライドを続けてくれます。

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ウェーブの角度(10時~4時方向)などとフェリーグライドさせるカヤックの角度を絶妙に合せないとカヤックはウェーブを乗り越えて落ちたり、ウェーブの中で12時の方向に向いてフェリーグライドが止まったりしてしまいますのでウェーブへストリームインする踏み切りの角度がとても重要です。

この角度、ウェーブに入る進入速度や個々のウェーブの形状により異なるので一概に何度とは言えませんが、ウェーブの方向に対して45度もしくはもう少し上目の角度にするとウェーブを乗り越えずに留まることが出来るようです。

DSCN4027

ウェーブに入るために踏み切りパドル

また、踏み切りの力が強すぎると上流側のウェーブにバウが突き刺さって戻されてしまいますので踏み切りパドルの力加減も重要です。

バウが下流側に落とされないよう基本は下流踏み切りです。

DSCN4032

ウェーブから出る時は?

ウェーブから出たいと思ったら、下流リーンしているカヤックの傾けを僅かに上流リーンに切り替えます

するとロッカーの引っ掛かりがなくなり抵抗が減るのでカヤックはスムーズにウェーブを乗り越えます。

ウェーブを上手く使えるようになるとより安全に楽にダウンリバーやスラロームレースを楽しむことが出来るようになりますので、是非挑戦してみて下さい。

フェリーグライド 全6回

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